マイクラで街を作るとき、誰でもある程度の計画を立てると思います。「ここに道路を通して、あそこに家を建てて、あっちに店を作ろう」など、自分の理想の街を作るために色々と考えることが多いですよね。
でも、計画通りに進まなかったり、途中でうまくいかなくなったりすることもあります。その原因は、計画に「具体的な手順」や「明確な目標」がないことが多いです。
そこで今回は、誰でも簡単に明確な計画を立てられる方法を解説します。
計画を立てる前には、必ず準備が必要です。まだ準備ができていない人は、こちらを参考にしてください。
それではさっそく、紙とペンを用意していっしょに描き進めていきましょう!
街づくりの基点を決めよう
街づくりを進めるうえで、最初に考えるべきことは「基点をどこに設けるか」です。基点を明確にすることで、街の発展の方向性や構造を決めやすくなり、効率的で計画的な街づくりが可能になります。基点となる場所や施設としては、次のようなものが挙げられます。
- 交差点
道路が交わる場所は交通の要所となり、人々が集まりやすいため、自然と街の中心になりやすいです。 - 広場
公共の広場は、市民が集まるイベントの場や休憩所となるため、街のシンボルとしても機能します。 - 橋
川や海を渡る交通の要所であり、橋を基点にして街が発展した例は歴史的にも多く見られます。 - 鉄道駅
現代では交通の要所となる駅を基点とする街づくりが一般的で、日本では特に駅前が栄える傾向があります。 - 城郭
歴史的に、城を中心に城下町が発展してきた事例が多く見られます。 - 役所
行政機能を担う施設があると、人々が集まりやすく、街の中心地として機能します。 - 神社・寺院
古くから存在する神社や寺院が基点となり、そこから街が広がることがよくあります。 - 水辺
海や川、湖などの水辺は、交通や貿易、産業の拠点として古くから街の基点になっています。
日本の多くの街では、駅前が発展して栄えていることが一般的です。現代の都市計画でも、駅を基点にした街づくりはとても効果的です。
一方、古い時代の街づくりでは、交差点や橋といった交通の要所が基点とされることが多かったことがわかります。また、自然発生的に発展した街では、大きな神社や寺院といった歴史的・文化的な施設が基点として使われることが多く、これがその街のシンボルとなるケースもあります。
さらに、港町ではその立地を活かし、海岸や川岸などの水辺を基点として発展してきました。こうした街では、漁業や貿易といった産業が街の基盤を支えています。
日本の都市がどのように発展してきたのか詳しく知りたい方はこちらもチェックしてみてください。
基点の選び方によって、街の性格や構造が大きく変わります。どの基点を選ぶかは、街のテーマや目的によって異なるため、まずはどんな街を作りたいのかを考えたうえで、適切な基点を選ぶことが重要です。このように基点を決めることが、街づくりの第一歩としてとても大切だということですね。
街路配置を考える
街づくりの基点が決まったら、次に重要なのは「街路の配置」を考えることです。人は移動しながら生活する生き物であり、その移動を支えるのが「道」です。道は単なる移動手段ではなく、人々の動きや活動を規定する重要な役割を持っています。そのため、街づくりにおいて道の配置は、都市の機能性や利便性につながる重要な要素なのです。
もし道が適切に配置されていなければ、移動が非効率になり、人々は迷いやすくなります。また、渋滞や事故、移動時間の増加など、さまざまな問題がでてきます。さらに、道は住居、職場、商業施設、公園などの場所とも密接に関連しており、道の配置次第で都市の活気や人々の暮らしやすさが大きく変わります。
街路の配置には、いくつかの特徴的なパターンがあります。それぞれのパターンは、街の成り立ちや機能に合わせて計画されることが多いです。以下はその主な例です。
格子状
道路が縦横に整然と並んだ配置です。都市計画がしやすく、碁盤の目のような見た目です。
札幌や旭川などの開拓都市、静岡・名古屋・松山などといった旧城下町、京都・奈良などの古代都城が由来の都市に多く見られます。
マイクラで最もつくりやすい配置です。しかしつくるのが簡単な分、都市構造が単調になりやすいです。
放射状
中心点から道路が放射状に広がる配置。広場や駅を中心に発展する街に見られます。
フランス・パリが典型的な放射状街路網として有名です。日本ではあまり見られず、あっても局所的です。
マイクラでつくる際はブロックを斜めに配置しなければならないため、少し難しいです。
格子状+対角線状
格子状の中に斜めの道路を組み込んだ配置です。斜めの道があることによって移動をより効率的にします。
開拓都市のひとつである帯広がこのタイプです。海外だとアメリカの開拓都市の一部にも見られます。
マイクラでつくる際はブロックを斜めに配置する必要があるため、すこし難しいです。
格子状+環状
格子状の道路に加えて、中心部から同心円状の道路が設けられた配置です。複数の中心を持つ都市に適しています。
マイクラでつくる際、格子状街路は簡単に配置できますが、環状道路をつくらないといけないため、難しいです。
放射状+環状
中心から放射状に広がる道路に加えて、それをつなぐ同心円状の道路を持つ配置です。
戦後日本の都市計画において、マクロ的な幹線道路網の配置はこのような考え方が基本になっています。例えば首都高速は、渋谷線や向島線、深川線や池袋線を都心から郊外に向かって放射状に伸ばしていき、都心環状線や中央環状線をリムとして配置していくという形態になっています。
こちらも、マイクラでつくる際はブロックを斜めに配置しなければならないのと、同心円もつくらないといけないためかなり難しいです。
不規則な放射状
放射状に近いですが、自然地形や歴史的背景に影響されて少し不規則な配置になっています。マイクラでつくると都市構造が複雑になりやすく、途中放棄してしまう可能性が高いのでおすすめしませんが、やる気がある方は挑戦してみてください。
網目状
網の目のように交差する道路が特徴です。こちらも配置が複雑で、放棄してしまう可能性が高いのでおすすめしませんが、やる気がある方は挑戦してみてください。
枝状
幹線道路から小道が枝のように分かれる配置で、住宅地や郊外の街に多いです。網目状よりはわかりやすい形状ですが、格子状などと比べるとまだ複雑なので、初心者にはあまりおすすめしません。
いかがでしたか?それぞれのパターンには長所と短所があり、街づくりの目的に応じて選ばれます。
道をどのように配置すれば都市が効率的かつ快適に発展していくかを考えることは、古くから都市計画の重要課題とされてきました。
歴史的な都市では、道が単純な直線や格子状になっていることもあれば、地形に合わせて曲線的に配置されている場合もあります。それぞれの道の形状や配置には、その街の文化や歴史、そして機能性が反映されています。
現代においても、この道の配置に関する考え方は受け継がれ、技術的な発展や交通システムの進化に伴いさらに洗練されています。道路の適切な配置は、効率的な移動を可能にするだけでなく、街全体の魅力や居住性を高め、持続可能な都市づくりにも貢献します。
道をどう設計するかを考えることは、単に街を「つなぐ」作業ではなく、人々がその街で快適に生活し、活発に活動できる環境をつくる基盤を整えることなのです。そのため、街づくりの初期段階で、道の配置を考えることがとても重要です。
道路の種類について考える
街路の配置を決めたら、次は具体的にどんな道路を作るか考えてみましょう。
都市の道路網は、幅とか役割の違う道路が組み合わさることで交通をスムーズにしてくれています。それぞれの道路には、車や歩行者がどれくらい使うか、どんな目的で使われるかという役割があるんですね。
道路の幅や種類をうまく決めることで、街の動線が良くなり、住みやすい都市がつくれるというわけです。
道路の種類にはいくつかあって、それぞれの街の大きさや特性によって違ってきます。どんな種類があるか見てみましょう。
幹線道路
都市において主要な地点を結び、道路網の骨格を形づくっている道路です。簡単に言うと「大きい道路」です。高速道路や国道、都道府県道がこれに当たります。
1m=1ブロックとすると、だいたい50mほどの道幅で、片側2~4車線になります。配置する間隔は、都市部だと500m~2kmくらいとなっています。
補助幹線道路
幹線道路と市街地内の区画を結び、交通量を分散させる役割を果たす道路です。住宅地では、住民が近隣に移動する際に利用する道路のうち、主に市町村道がこれに当たります。
道幅は25m前後で、片側1~2車線になっていることが多いです。配置する間隔は200m~500mくらいです。
幹線道路の作り方はこちらを参考にしてみてください!
生活道路
地区に住む人が地区内の移動あるいは地区から幹線道路・補助幹線道路に出るまでに利用する道路です。簡単に言うと車より歩行者のほうが多く使うような道ですね。
道幅は5~15mくらいで、配置する間隔は50m~200mくらいです。
このくらいの道路の作り方はこちらを参考にしてみてください!
街区のゾーニングをしよう
街路の幅が決まったら、次は街の機能をエリアごとに分けて考える「ゾーニング」をしてみましょう。ゾーニングとは、街を用途や機能ごとに分けて計画することです。
まず、街路を配置すると、その間に囲まれた土地ができますよね。この土地のことを「街区」と呼びます。そして、いくつかの街区が集まったまとまりを「地区」と言います。
都市の中にはさまざまな地区があり、それぞれ役割や機能が異なります。たとえば、飲食店や娯楽施設が多く、人が集まって賑やかな場所は「商業地区」。工場が集まり、製品を生産する拠点になっているエリアは「工業地区」。そして、住宅が多く建ち並んでいる場所は「住宅地区」といった具合です。
地区ごとにどのような特徴があるのかを理解すると、街全体のバランスが取りやすくなります。それでは、具体的にそれぞれの地区について見ていきましょう!
オフィス地区
現実世界で言うと「高度利用地区」などのことです。簡単に言うと「高層ビルや高層マンションが立ち並んでいるところ」ですね。
オフィス地区は都市の中心部、つまり「都心」に配置されやすいです。都心は交通網が充実していて、通勤通学に便利だからですね。
現実では大手町(東京)や中之島(大阪)がこれに当たります。
ちなみに、都心の機能分散を目的に設けられた「副都心」、「新都心」も存在しています。こちらは、都心から数km離れた場所に設けられています。
現実では新宿(東京)や天王寺(大阪)がこれに当たります。
商業地区
現実世界で言う「商業地域」のことです。簡単に言うと「お店がたくさんあって昼夜問わず賑わっているところ」ですね。
駅の近くや町づくりの基点となった場所に展開されやすいです。駅の近くは多くの人々にとってアクセスが良く儲けやすいため、街づくりの基点は古来から商業地として繁栄しており、現代まで引き継がれていることが多いからです。
現実ではすすきの(札幌)や銀座(東京)、心斎橋(大阪)や天神(福岡)などがこれに当たります。
工業地区
現実の工業系用途地域に当たります。簡単に言えば「さまざまな製品を作っている工場が集中しているところ」ですね。
騒音や汚染物質、輸送効率などに配慮して、郊外や港湾、空港の近くや幹線道路の近くに配置されています。
現実では京浜工業地帯、中京工業地帯、阪神工業地帯が有名ですよね。
住宅地区
現実の住居系用途地域に当たります。簡単に言うと「一軒家やアパート、マンションが広がっているところ」で、私たちの家があるところとその周辺のことです。
オフィス地区・商業地区・工業地区以外のところに広がっています。都心の近くではマンションやアパートが多く、そこから離れていって郊外になるにつれて一軒家が広がっていく傾向があります。
どうでしょうか?地区ごとにゾーニングを行うと、都市の中心部とそうでないエリア、人がいつも集まって賑やかな場所とそうでない場所が、はっきりと分かるようになりますよね。
このように、事前にゾーニングをしておくと、実際に街づくりを始める際に「まずはどこから手をつけるか」や「このエリアはどんな街並みになるか」といった計画が立てやすくなります。
ゾーニングは、街づくりの方向性を決めるうえでとても役立つ考え方なんです。
まとめ
ここまで一緒に街づくりの計画の流れを見てきました。あなたはどんな都市を思い描けましたか?ここで、もう一度計画の流れをおさらいしてみましょう。
- 街づくりの基点を決める
- 街路の配置を決める
- 街路の種類を決める
- 地区ごとにゾーニングする
このステップを覚えておけば、理想の街づくりがぐっと進めやすくなります。あなたの思い描く素敵な街をぜひ形にしてみてください!
もし、細かな都市計画だけではなく、周辺地域の計画(広域計画)を立てようと検討している方は、こちらを参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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