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マイクラで街づくりする方法|広域計画編

東北に似た地方の中枢都市の空想広域地図

前回の記事では、「都市計画」の基本についてお話ししました。都市計画を考えると、マイクラで街を作るときに、街並みをどうデザインするかや交通網をどう整備するかなど、細かい部分をスムーズに進めることができます。

でも、都市というのは一つだけで完結するものではありません。都市国家のような特別な場合を除けば、ほかの都市や集落とつながりを持ちながら成り立っています。

そこで、あなたがつくった都市が地域や国の中でどんな役割や位置づけを持つのかを考えることで、都市をもっとリアルで魅力的なものにできるのです。

例えば、あなたがつくっている都市の周囲の様子を想像すると、どういう方向に交通網をつくっていけばいいのかなど、細かな都市計画をつくる際の道しるべとなるのです。

ということで今回は視点を広げて、広域的な都市計画(広域計画)を立てる際の基本についてご紹介します!

空想地図の世界観を考えている方にとっても役立ちますので、ぜひ最後までご覧ください!

都市がどの世界線に存在するか考える

あなたが空想している都市は、どんな地域にありますか?きっと、まだそこまで深く考えていない方もいるのではないでしょうか。

都市の場所を具体的にイメージすると、周辺の計画(広域計画)についても考えることになります。

周辺の計画を考えると、都市の方向性がはっきりし、都市計画の細部まで考えやすくなるのです。

では、都市の場所をどうやって決めればいいのでしょうか?
それには、以下の枝分かれ図を使って考えてみると、自分の都市の最適な立ち位置が自然と見えてきます!

minecraftにおいて広域計画や設定を考えていく際に参考となる枝分かれ図
minecraftにおいて広域計画や設定を考えていく際に参考となる枝分かれ図

「NO」を選び続けると、現実の世界とどんどん違う設定になっていきます。これはつまり、オリジナリティがどんどん高くなるということです。

オリジナリティが高くなると、計画する内容や考える設定が増えていきます。その結果、作り込む要素も多くなり、よりボリュームのある世界が出来上がるのです。

では、各段階で具体的にどんな計画を進めればいいのでしょうか?さっそく、一番上の項目から順番に見ていきましょう!

既存の都市の再現かどうか

最初の選択肢は「現実にある都市を再現するかどうか」です。

もしあなたが、現実の都市や地域を完全に再現したいと考えている場合、それに従って進めてください。そうでない場合は、次のステップに進みましょう。

完全再現を目指す場合、広域計画を無理に考える必要はありません。

当たり前のことですが、元になる都市や周辺地域の特徴や形がすでにはっきりしているからです。

完全再現を選んだ方は、次のポイントを参考に進めてみてください!

  • グーグルアースを参照してみる
  • 国土地理院の地図データをマイクラ内に取り込んで反映させてみる
  • 現地調査をしてみる

日本の国土形状はそのままかどうか

次の選択肢は「日本の国土の形をそのまま使うかどうか」です。

あなたが作ろうとしている都市は、日本の国土の形を変えずに進める設定ですか?

もしそうではなく、日本列島に新しい島を追加するなど、国土の形を変える設定を考えているなら、次のステップに進んでください。

一方、「日本の国土の形を変えない」と考えている場合、現実にある都市を発展させたり、既存の地形(山や平野など)に新しい都市を作るイメージを持っているのではないでしょうか。

その場合、広域計画を考える際には、以下のポイントを意識してみましょう。

  • 都市域はどのくらいの面積なのか
  • 既存の河川や山野はどのくらい改変するのか
  • 新たな幹線道路や鉄道路線は設けるのか、ルート・配置はどうなっているのか

例として、「福井を百万都市にしたら」というテーマで街づくりをしている場合の広域計画を考えてみましょう。

福井市周辺の広域地図
現実の福井市周辺の広域地図

現実の福井市は人口約25万人で、周辺には鯖江や坂井など、人口数万人の自治体があります。これらを合わせた福井市中心の都市圏人口は約60万人です。

福井市と周辺都市は幹線道路(国道)で結ばれており、市の東側には高速道路も通っています。また、福井駅には新幹線や在来線、路面電車、私鉄が乗り入れており、交通の要所となっています。

ここから、福井の人口が100万人に増えたことを想定して計画を立ててみましょう。私の場合、次の順序で考えました。

1.都市域の拡大:人口100万人規模の都市は、中心部から半径10kmほどの広さが一般的です。そのため、都市域が大きくなり、複数の都市域が一体化する「コナベーション」の状態を想定します。

2.周辺都市とのつながり:大野市、勝山市、あわら市などは、福井の都市域と完全につながるわけではないにしても、福井市のベッドタウンとして発展していると考えます。そのため、都市域を広げ、これらの地域も計画に含めます。

3.交通網の整備:人口増加に伴い、通勤や通学で移動する人が増えるので、交通インフラを強化します。具体的には、①鉄道網を延長し、既存路線を強化 ②新たな幹線道路を整備 ③環状の都市高速道路を追加

人口が100万人に増えた福井市周辺の空想広域地図
人口が100万人に増えた福井市周辺の空想広域地図

以上のように考えながら、福井市の広域計画を作っていくと、上図のように人口100万人の福井市が具体的にイメージできるようになります。

このプロセスを楽しみながら、自分なりの広域計画を作り上げてみましょう!

日本の施政下にあるかどうか

次の分岐は「日本の施政下にあるかどうか」です。

あなたの創っている都市は、日本の一部であることを想定していますか?

もしそうではなく、日本とは別の国であることを想定している方は次に進んでください。

この段階で「日本の施政下にはある」と考えている方は、日本の国土形状を変えて(新たな土地を設けて)、そこに架空の自治体が存在していることを想定していると思います。

広域計画を考える際には、以下のポイントを意識してみましょう。

  • 本土を改変するのか、新たな島を設けるのか
  • どのくらいの面積でどんな形なのか
  • 大陸プレートとの兼ね合いはどうするのか
  • 気候は考慮するのか
  • 主要な河川や山野等の地形はどうなっているのか
  • 主要都市の場所と、その都市域はどのくらいの面積なのか
  • 幹線道路や鉄道路線、空港等のインフラ施設のルート・配置はどうなっているのか

例として、「東北に似た地方の中枢都市」というテーマで街づくりをしている場合の広域計画を考えてみましょう。

1.東北地方の特徴を理解する

まずは「東北地方」の特徴を考え、それをモデルに設定を練ります。

  • 自然環境:東北は豪雪地帯で、住むには他の地域より過酷な環境。人口密度が低い。
  • 地形:山が多く、平野や盆地は限られている。山地で地域が分断され、円滑な交流が難しい。
  • 文化:地域ごとに独特な伝統文化が育まれ、それが魅力になっている。

2.新しい「東北に似た地方」を作る

これらの特徴を参考に、東北に似た地方を新しく日本列島に追加する設定を作ります。どのくらい東北に似せるかは、個人の判断によります。

  • 土地の場所:豪雪地帯を想定するため、日本列島の北部に配置。
    →太平洋側だと日本海溝(プレート境界)との兼ね合いが複雑になるため、日本海側に設置。
  • 土地の形状:南北に長い形状に設定。東北地方に近接させ、本土からあまり離れすぎないようにする。
  • 地形の設計:山が多い地形にする。平野や盆地を点在させる。長い河川(例:北上川や最上川)を設け、平野や盆地を結ぶような流れにする。

3.主要都市の設定

次に、新しい地方における大まかな都市計画を進めます。

  • 中枢都市:広めの平野に人口100万人規模の都市を設定。これが中枢都市となります。この都市を拠点に交通網を整備。
  • 他の都市:各地の平野や盆地に複数の都市を設置。中枢都市と他の都市を道路や鉄道でつなぐ。

4.交通網の計画

最後に地方全体の交通ネットワークを考えます。

  • 道路網:中枢都市から各都市に道路を伸ばす。各都市同士も連結するようにする。
  • 鉄道網:中枢都市を起点に鉄道を整備。各都市間を結ぶ鉄道も設置。
  • 新幹線の延伸:現実の上越新幹線を新しい地方に延伸させ、主要都市を結ぶ計画を追加。
東北に似た地方の中枢都市の空想広域地図
東北に似た地方の中枢都市の空想広域地図

以上のように、新しい地方の地形や都市、交通網を設計することで、「東北に似た地方の中枢都市」を中心にしたリアルな広域計画が完成します。

特に地形や交通網のリアリティを追求することで、空想地図に深みが生まれます!

地球にあるかどうか

最後の選択肢は「そもそも地球にあるかどうか」です。

この段階まで来て、地球上にあることを想定している場合、既存の大陸の形状を変えたり、新たな大陸・島嶼を設けて、そこに架空の国が存在していることを想定していると思います。

一方、地球上にはないと考えている場合、新たな惑星について考える必要があります。

地球にある場合とない場合、それぞれどのように広域計画を立てるといいのか見ていきましょう!

地球上にあることを想定している場合

まずは、地球上にあることを想定している場合の広域計画を考える際のポイントを確認してみましょう。

  • 既存の土地を改変するのか、新たな島を設けるのか
  • どのくらいの面積でどんな形なのか
  • 大陸プレートとの兼ね合いはどうするのか
  • 気候は考慮するのか
  • 主要な河川や山野等の地形はどうなっているのか
  • 主要都市の場所と、その都市域はどのくらいの面積なのか
  • 幹線道路や鉄道路線、空港等のインフラ施設のルート・配置はどうなっているのか
  • 日本などの他国との関係はどうなっているのか

例として、「日本に似ている国の首都」というテーマで街づくりをしている場合の広域計画を考えてみましょう。

1.日本の特徴を理解する

まずは「日本」の特徴を考え、それをモデルに設定を練ります。

  • 国土:南北に長い。主要四島とあまたの島々で構成されている。
  • 自然環境:四季があり、夏と冬の気温差(年較差)が大きい。台風や地震等の災害も多い。
  • 地形:山が多く、平野や盆地は限られている。河川は「滝のよう」と形容される。
  • 都市:東京や大阪といった大都市のほか、全国各地に地方都市が存在している。
  • インフラ:新幹線や高速道路等の交通網のほか、電力網や通信線、水道網も全国に整備されている。
  • 国民:人口は約1億人で、ほぼ全員が日本語を話す。また、神道や仏教が信仰されている。
  • 文化:古くからの伝統文化が育まれ、魅力になっている。

2.新しい「日本に似た国」を作る

これらの特徴を参考に、日本に似た地方の設定を作ります。どのくらい日本に似せるかは、個人の判断によります。

  • 国の場所:日本の文化の影響がみられるくらい、日本に近い太平洋上に設ける。
  • 土地の形状:全体的に東西に長い形の島国にする。主要二島とあまたの島々で構成する。
  • 地形の設計:山が多い地形にする。平野や盆地を点在させる。利根川レベルの河川を設け、平野や盆地を結ぶような流れにする。
  • 都市・インフラ:首都は大阪レベルを想定する。地方都市も各地に設ける。インフラは首都を中心として放射状に広がるように計画する。
  • 国民・文化:公用語は日本語、国民性や文化面もほぼ日本と同一と考える。地名も日本風とする。

3.主要都市の設定

次に、新しい国における大まかな都市計画を進めます。

  • 首都:広めの平野に人口1000万人規模の都市を設定。これが首都となります。この都市を拠点に交通網を放射状に整備。
  • 他の都市:各地の平野や盆地に複数の都市を設置。首都と他の都市を道路や鉄道でつなぐ。

4.交通網の計画

最後に地方全体の交通ネットワークを考えます。

  • 道路網:首都から各都市に向かって放射状に道路を伸ばす。各都市同士も連結するようにする。
  • 鉄道網:首都を起点に鉄道を整備。各都市間を結ぶ鉄道も設置。
日本に似ている国の首都の空想広域地図
日本に似ている国の首都の空想広域地図

以上のように、新しい国の地形や都市、さらに日本との関係や文化性などを考えながら設計することで、「日本に似ている国の首都」を中心にしたリアルな広域計画が完成します。

地球上にないことを想定している場合

地球上にないことを想定している場合の広域計画を考える際のポイントを確認してみましょう。

  • 惑星はどのくらいの大きさなのか
  • 主な大陸はどのくらいの面積でどんな形なのか
  • 大陸プレートは考慮するのか
  • 気候は考慮するのか
  • 主要な河川や山野等の地形はどうなっているのか
  • 国家や文化圏などはどうなっているのか
  • 日本に似た国は設けるのか
  • 主要都市の場所と、その規模はどのくらいなのか
  • 幹線道路や鉄道路線、空港等のインフラ施設のルート・配置はどうなっているのか

ここまでくると、惑星レベルの計画を練らなければならないので、内容量が膨大です。

そのため、大陸や気候などのマクロな事柄は現実の世界地図を参考にすると良いと思います。そのうえで、日本に似ている国を設け、その中に自分がマイクラで作っている街が存在していると考えるのが容易だと思います。

日本に似た国の構築方法は先ほどの手順を参考にしてみてください。

もし、地球とは全く異なる、オリジナルの世界を構築したい方は、気候や大陸プレート、文化圏や文明レベルといった細かなところまで考えて計画してみてください。

そこまで突き詰めると、きっとあなたにしか考えられないオリジナルの世界を構築することができるようになるはずです。

皆さんもぜひ挑戦してみてください。

まとめ

ここまで一緒に、様々な段階の広域計画作成の流れを見てきました。あなたはどんな広域計画を思い描けましたか?ここでもう一度、計画をつくる際の流れをおさらいしてみましょう。

minecraftにおいて広域計画や設定を考えていく際に参考となる枝分かれ図
minecraftにおいて広域計画や設定を考えていく際に参考となる枝分かれ図

この枝分かれ図を基に、あなたの創っている都市の周辺の様子について考えてみましょう。きっと、周辺の地域の様子が鮮明になり、細かな都市計画をつくる際の道しるべになるはずです!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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