
日本の街をイメージして街づくりをはじめていくと、イメージ元の現実の街には、雑居ビルが多いことに気づくと思います。
そのため当然、雑居ビルをたくさん作ることになりますよね。
でも、雑居ビルを作るときって何かしらイメージしてつくるけど、建物数が多すぎてなかなか特徴をつかみ切れずに苦労している方も多いはずです。
ほかにも、「つくったけどなんだかのっぺりしている…」「アイデアがなくても簡単につくれれば…」という方もいるでしょう。
そこで今回は、だれでも雑居ビルを建てられる方法をお伝えします!
なお、今回の内容はある程度街づくりが進んだ方を対象にしています。まだ街づくりの計画や道路などをつくっていない方は、こちらからご覧ください。
敷地の大きさを考える
まず、建物を建てる敷地について考えましょう。建物の敷地は、街区(道路によって囲まれた土地)と密接な関係にあります。
奥行きを決める
例えば、次のような、80m×40mの街区があったとします。(1m=1ブロックとして考えます。)

この場合、どのように敷地割りをすると良いでしょうか?
だいたいの方は次のような割り方をすると思います。

長い辺に建物の正面を向けて建物を建てたほうが、土地の使い方においても効率的で、税制などについて考慮したとき、経済的にも合理的だからです。
ということで、上の例ですと、建物の奥行きは20mにするとよさそうです。
つまり、奥行きは街区の短い辺を半分にした値にするとちょうどいいでしょう。
間口を決める
では、敷地の正面の広さ、つまり間口はどのくらいにするとよいでしょうか?
それは、5m~11mで、奇数配置にするのがおすすめです!実例を見ながら、どんな建物を建てられるか見た行きましょう。
間口5m

間口を5mにすると、かなりコンパクトな見た目の雑居ビルを建てることが出来ます。しかし、建物の正面、つまり「顔」の面積が小さいので、細かな装飾がしにくくなります。
また、階数を増やして高くしすぎると全体のバランスが悪くなるので、3階程度が上限です。
しかし、建築の仕方によっていかようにも表現が可能になります。
間口7m


間口を7mにすると、5mの場合よりも「顔」の面積が増えるので、表現の幅が増えます。
階数も3~4階程度がちょうどよく、階ごとに様々なテナントが入っている設定にしやすいです。それに伴い、いろいろな広告看板を入れることが出来ます。
間口9m

雑居ビルを建てるとき、最もおすすめする間口の大きさは9mです。9mですと、2階程度の低層でも、6階程度の中層でもバランスのいい建築ができるからです。
また、細かな装飾がしやすく、リアリティを出しやすいのです。
間口11m


間口を11mにすると、雑居ビルという形態の中でもかなり大型の建物を建てられるようになります。これは、細い道路よりも大きな道路に面して立てるのに向いています。
広告も、かなり大きなものを設置でき、情報量を増やすのに向いています。
初めに敷地の奥行きを定めて、次に間口を決めるという流れです。これにより、敷地の大きさを定めることが出来ました。
建物の「顔」を考える
敷地面積が決まったら、次に建物の前面、つまり「顔」について考えていきましょう。
「顔」を構成するものの中で、最も重要なものが「窓」です。窓によって、建物の表情は大きく変わってきます。
でも、窓の配置の仕方は簡潔にパターン化されています。この、パターン化されたものの内、どれかを選んでいけば、良い感じの雑居ビルを建てることが出来ます。
さっそく、窓配置のパターンを見ていきましょう!
ポツ窓


ポツ窓は、その名の通り、個別窓がポツポツと並べられている配置方法です。高層ビルから住宅まで、幅広い用途の建物で多用されています。
ポツ窓を一定間隔で並べていくとリズミカルな印象を与え、視覚的にも注目を集めやすくなります。また、その建物の納まりがいい、コンパクトな印象も与えられます。
連続水平窓


連続水平窓は、横に長く窓を並べる配置方法です。雑居ビルのみならず、多くの建築で用いられている配置方法であり、有名な建築家であるル・コルビジェが「近代建築の五原則」の内の一つとして提唱し、爆発的に広がりました。雑居ビルでもたくさん用いられています。
横に長く窓を配置することで、陽の光を多く取り込むことが出来、景色も楽しむことが出来ます。
連続スリット窓


連続スリット窓は、上の階から下の階まで連続した垂直の窓で結ぶ配置方法です。縦のつながりがより意識されるようになり、実際より細身かつ、のびやかな印象を与えられます。
あまり雑居ビルでは用いられていない印象ですが、街区内に一つくらい垂直窓配置のビルがあるとアクセントになりそうです。
全面ガラス窓


全面の壁面を取っ払い、全体をガラスで覆う配置方法です。全面をガラスにすると、一気に解放感と清潔感が上がり、現代的でスタイリッシュな印象を与えることが出来ます。
しかし、現実において雑居ビルに用いられることは少なく、どちらかというとオフィスビルに多いです。
1階部分をつくり、重ねていく
建物前面の窓の配置方法を選んだら、実際に作っていきましょう。今回は例として、ポツ窓の雑居ビルを建てていこうと思います。
壁面をつくる
まずは壁面をつくりましょう。壁面は基本的には白系のブロックや石系ブロックを用いると無難です。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 滑らかなクォーツブロック
- 白色のコンクリート
- 粘土
- 滑らかな砂岩
- 骨ブロック
- 方解石
- 閃緑岩
- 安山岩
- 石
- 滑らかな石
- キノコの柄
- 茶色のキノコブロック


どれか一つブロックを選んだら、配置していきましょう。今回は例として滑らかなクォーツブロックを選択し、間口9m×奥行20mとして造っていきます。まずは壁を4m積み上げていきます。

横から見ると上画像のようになります。
床を埋める
壁面をつくったら、床を埋めましょう。床材は灰色系のブロックを用いると良いと思います。例えば以下のようなものが挙げられます。
- 薄灰色の羊毛
- 灰色の羊毛
- クォーツブロック
- 滑らかなクォーツブロック
- 各種板材

私は主に薄灰色か灰色の羊毛を使っています。埋めると上のようになります。
内部空間を分ける
次に、内部に分けていきましょう。
内部を分けるには壁が必要です。壁は「居室」と「廊下などのその他空間」とを隔てる役割があります。そして、壁の配置場所によって「居室」と「その他空間」との空間比率を決めていくことになります。
雑居ビルの廊下はかなり狭く設けられる傾向があります。そのため、今回は1m幅の廊下を設けていきましょう。
次に階段やエレベーターを設ける竪穴区画を想定していきましょう。雑居ビルにおける階段のスペースは2m×3m、エレベーターのスペースは1m×1mあれば十分です。
さらに、必須ではないですが給湯スペースなんかも設けると良いと思います。

以上のことを考えると上画像のように壁を設けることが出来ます。
階段・給湯設備・エレベーターを設ける
それでは階段・給湯設備・エレベーターを設けていきましょう。まずは階段です。


階段スペースの床の内、2m×2mの穴をあけ、階段を設置します。

ドアと仕切り壁を設置すれば、階段スペースの構築は完了です。

次に給湯スペースの構築です。鉄ブロック・鉄のドア・鉄のトラップドアで冷蔵庫をつくりましょう。また、大釜・レバー・鉄格子で洗い場を設けましょう。これで小さな給湯スペースの完成です。


次にエレベータースペースを設けましょう。竪穴を設け、内部の壁面にはしごを設置し、ドアと仕切り壁をつくれば完成です。

最後に居室の廊下側の壁に穴をあけてドアを設置すれば、内部の構築は完了です。
建物前面をつくる
先ほど紹介した窓の種類の中から一つ選んで建物前面(建物の顔)をつくっていきます。先述した通り、今回は例としてポツ窓でつくっていこうと思います。


まずは前面の壁を壊します。ここに新たに建物の顔を構築していきます。基本的にはどんなブロックでもいいのですが、色使いに注意が必要です。具体的には以下の通りです。
- 壁の色は同系色のブロックで構成する。
- 青や赤などの原色ではなく、白・茶・黒といった落ち着いた色になるようにする。
- 窓は基本的に黒色や灰色のブロック。

これらのことを意識して顔をつくっていきましょう。今回は上画像のように感じになりました。
建物壁面に窓を設ける

建物前面が出来たら、次に壁面に窓を設けましょう。壁面の窓は多くなくていいです。むしろ、少なめに設けましょう。場所は適当で構いません。ただ、居室に面する壁の窓は大きめがいいと思います。
1階部分を重ねていく


1階部分が出来たら、これを積み重ねていきます。つまりコピー&ペーストです。手置きだと大変なのでストラクチャーブロックかワールドエディットを使って積み重ねていきましょう。
何階でもいいですが、4~6階がちょうどいいと思います。
斜線制限を考慮する
ここで、現実の日本の街並みに近づけるため、建物を一部削ってみましょう。この工程により、あなたの街はより複雑性を増し、リアリティが上がるでしょう。
前面道路を確認し、建物を削る
あなたが建物を建てようといている敷地の前に面する道路を確認しましょう。
具体的には、道路の幅を確認します。道路の幅は何ブロックありますか?
基本的に、建物の建てられる空間は前面道路によって定められます。これを道路斜線制限と言います。
いろいろと細かな点があるのですが、今回は道路の幅×1.5で建物の高さを求めましょう。
例を挙げると、
- 道路の幅7m×1.5=10.5m
- 道路の幅9m×1.5=13.5m
- 道路の幅10m×1.5=15m
となります。今回の場合は7×1.5=10.5mですね。


具体的に表示してみると上のようになります。


この斜めの線より外側(道路側)の空間に建物は建てられません。そのため、飛び出しているところは削りましょう。これで、建物の一部に斜面状の開口部が出来ました。
斜壁を整える
このままでは斜面がぽっかり開いているので、きちんと外壁を設けて整えましょう。
斜面部分の外壁は、「斜壁」といいます。
これまで作ってきた外壁とは別な種類で構築するのがいいでしょう。


今回は閃緑岩を使います。斜面なので、段違いのところには閃緑岩の階段を置くと遠目から見ても自然な感じが出せます。
斜壁でほかにおすすめのブロックは、ダークオークの板材や滑らかなクォーツブロックなどが良いと思います。

斜壁に開口部を設けましょう。単なるポツ窓でもいいのですが、今回はバルコニーにしました。
ここの窓形式は完全に自由です。ランダムに窓の種類を選んでみましょう。
今回はバルコニーにしたので、忘れずに防護柵も設けましょう。
屋上をつくる
続いて建物のてっぺん、屋上をつくっていきましょう。
屋上はただ単に平らにして床を張るのではなく、塔屋や機械設備など、さまざまな細かいところをつくっていくと、上から見ても違和感のないリアルな建物として顕現させることが出来ます。
屋上を構築していく
まずは屋上の床をつくっていきましょう。床としてよく使われるのは以下のようなブロックです。
- 粘土
- 安山岩
- 花崗岩
- 石
- ダークプリズマリン
- 固めた泥
- 丸石


まず、屋上の床を張る面の外縁部にブロックを置いていきます。

次に屋上の床を張っていきます。今回は石ブロックを使っていきます。
この時、屋上部分に「塔屋」を設けることを想定し、わざとクォーツブロックで仕切りを設けています。
仕切りを設けるのは、「居室」と「その他空間」との間にするといいです。
塔屋をつくる
「塔屋」とは、マンションやビルの屋上に見られる、突き出した部分のことです。一般的には、階段室やエレベーターの機械室、倉庫などに使用されます。
商業地の高層ビルなどでは、塔屋を囲むように広告看板が付けられることもあります。


ということで塔屋をつくっていきます。上画像のように、塔屋部分の外壁を4m立ち上げていき、屋根部分に石を敷き詰めましょう。

横から見ると上のような感じです。屋上の外縁部にはパラペットを設けましょう。
パラペットとは、建物の屋上やバルコニー、橋梁などの端部に設置される低い立ち上がり壁です。雨水の侵入を防ぎ、落下防止や防水の役割を果たします。
パラペットにちょうどいいのは各種ハーフブロックです。基本的には外壁と同じ種類にすると良いでしょう。
また、塔屋の屋根の外縁部にもパラペットを設けましょう。ハーフブロックでもいいのですが、塔屋は目立たせると違和感が出てしまいます。
そのため、違和感を押さえるためにパラペットを薄いブロックでつくりましょう。おすすめは鉄のトラップドアです。
また、塔屋にドアを設けるのも忘れないようにしましょう。
屋上設備をつくる
屋上設備には、さまざまな種類があります。例えば、室外機や通気塔、変電設備や各種配管、非常用自家発電設備などがあります。
さすがにすべての設備が各建物の屋上に設けられているわけではありませんが、何種類かは設けられています。
特に室外機は必ずと言っていいほど、どの建物の屋上にも設けられています。ということで、室外機をイメージしてブロックを置いていきましょう。


まず、小規模な室外機を模した閃緑岩の壁を外縁部にいくつか置いていきます。
次に、中規模な室外機を模した鉄ブロックを並列に置き、各室外機がつながるように黒のガラス板を設けていき、塔屋に接続させます。
塔屋にも何らかの設備を模した鉄ブロックを置いて、屋上設備の構築は完了です。
低層部を整える
続きまして、低層部を整えていきます。基本的には1階部分のみを整えていくのですが、6階前後の中規模雑居ビルですと、2階部分まで大きく空間がえぐるような構造にすることもできます。
今回は1階部分を整えていきます。


上画像のように、1階部分は大きな開口部が設けられることがほとんどです。
開口部を大きくすることで、店内が外から見やすくなり、人々がどんな店か把握できるようになります。そうすると警戒感が薄れるので、集客に向いているのです。
今回、建物の右側に階段とエレベーターに続く廊下を設けていました。この廊下の入り口が2階以上に用がある人が出入りする開口部になります。ドアを設けておきましょう。
装飾していく
最後に装飾していきましょう。
装飾を施すとデティールが表現できるのでリアリティが増すのです。
建物の装飾には以下のようなものを使うと良いでしょう。
- 各種ボタン
- 死んだ各種ウチワサンゴ
- 各種フェンス
- 各種フェンスゲート
- 各種トラップドア
- レバー
- トリップワイヤーフック
- 鎖
- スケルトンの頭蓋骨
- ウィザースケルトンの頭蓋骨

装飾を施すと上のようになります。
石のボタンを左右端の柱に配置します。ドア周辺には計器や受電点を模したスケルトンの頭蓋骨やトリップワイヤーフックを取り付けます。
また、ビル名板を模した死んだシカツノウチワサンゴと、郵便受けを模した燻製器も置いてみました。
フェンスゲート・フェンスを店舗名として配置し、店舗前には植木鉢を置いて生活感を醸すと良いでしょう。


ビルの外壁も装飾しましょう。外壁にはボタンを一定間隔に配置するとそれっぽくなります。ボタンは換気口を模しています。また、多少窓の配置を変えてみてもいいかもしれません。
まとめ

お疲れさまでした!これで、雑居ビルが完成です。今回の雑居ビルをつくる方法をマスターすれば、自由自在に雑居ビルを建てられるようになります。
かなりボリューミーな内容なので、覚えるのに少し時間がかかると思いますが、ぜひとも今回の記事を振り返りながら、いろいろなビルを作ってみてください。
きっと、リアリティのある日本の現代都市を構築できるようになるはずです!
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント